先日のブログ記事にて、拍手コメントで教えていただいた「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」を観ました。
U-NEXTくんには続編しかなかったのでアマプラで視聴。たまにそういうとこあるけどなんで続編だけ配信するのU-NEXTくん……。
ホラー自体をたくさん観ているわけではないんですが、有名どころの「リング」や「呪怨」、「着信アリ」などのJホラーは日常に入り込んでくる(ビデオを見るとか家に引っ越すとか、電話がかかってくる…etc.)のに比べて、洋画ホラーは仕事絡みで事件に巻き込まれることが多いですね。そして主人公は大切なものを失いがち、失いそうになりがち、主に妻を。
ウーマン・イン・ブラックの舞台となる村は、とある理由からよそ者を……というか、村の近郊にある「イールマーシュの館」に踏み込もうとする者を歓迎しない排他的な雰囲気で、そのあたりはJホラーと親和性があると思いました。誰も何も語ってくれないのがとっても不気味です。
予想に反して、結構音で驚かせてくる系のホラーで、中盤くらいまでは諸所でビクッとさせられます。あと幽霊が何もしてこない稀有な(?)ホラーって印象です。
姿を現しはするんですけど、別段そこにいるだけで主人公にはほとんど興味がない様子。
しかし、古びた館の雰囲気やっぱりいいですね~!蜘蛛の巣が張った燭台、落ち葉と埃が溜まった床、くすんだ鏡、蔦で覆われた外観、古い紙の束に黴臭そうな匂いまで伝わってきそうな内装、何もかも好き~~~~って感じでした。
ところで、子供部屋にあるオルゴールやら人形って、暗いところで見るとなんであんなに怖いんでしょうね?
時代背景は19世紀末~20世紀初頭くらいだと思うんですが、館のほかにも汽車や自動車などもレトロで良かったです。
斧はマスターキー。あと、やっぱり犬は最高の友達だなって思いました。
で、観ているときに気付いてしまったんですよね。
「……待てよ、続編があったっていうことは、さてはこの話バッドエンドだな?」って。
まぁ、すべてが大団円で終わり、続編は前日譚とかそういうのも無きにしも非ずですが、大体のホラーって気持ち悪い感じで終わるのが定石じゃないですか。
というわけで、ここからは文字色反転ネタバレ感想です。
タイトルの「ウーマン」が示すのはジェネット・ハンフリーという女性です。
主人公が仕事で訪れることになった「イールマーシュの館」のドラブロウ夫人の妹で、精神を患い、息子のナサニエルをドラブロウ夫妻に養子として引き渡しています。
しかし、ジェネットはドラブロウ夫妻に息子との仲を引き裂かれたことを憎んでおり、さらにはナサニエルが沼で溺死した上に遺体も見つからなかったことで、夫妻を恨みながら自殺してしまいます。
彼女の死後、館近郊の村では「ジェネットの姿を見ると子供が死ぬ」とまことしやかに語り継がれており、実際村では死因を問わず何人もの子供が犠牲になっている様子。
ドラブロウ夫人が亡くなり、主人公であるアーサーが館売却のための文書の整理をしようと村に訪れたところから映画はスタートします。
アーサーは息子の出産時に妻を亡くし、生活に困窮する日々で、とうとう仕事もクビになりそうな折に舞い込んできたのがこの仕事。控えめに言って不運すぎる。
村の人々は先にも述べた通り排他的で、特に事情を話すこともなく主人公を冷遇するだけ。せめて何か言ってやれよと思うんですが、この主人公だったら何言っても館に行ってしまいそうだから言っても言わなくても同じか……。ハリーポッターのイメージがあるからかもしれないですけど、ダニエル・ラドクリフって思いこみの激しい主人公の役が似合いますよね。
アーサーは色々調べていくうちに、「ジェネットの呪いは息子を喪ったことによるものなんだから、息子の遺体を見つけて一緒に埋葬してやったら解決じゃね?」という結論にたどり着き、見事にそれをやってのけるんですが……
途中で嫌な予感を感じではいたんですが、やっぱりバッドエンドでした。
ナサニエルの遺体が見つからなかったことで、ジェネットは息子の死から逃避していたのに、アーサーが息子の遺体(息子の死)をジェネットに突き付けたがために、ジェネット的には「ああ、本当に息子が死んでしまったんだな」と思ってしまったんでしょうか。「余計なことしやがって」みたいな。
ラスト、アーサーとしては息子と一緒に妻の元にたどり着いたのでちょっとは浮かばれてるんでしょうが、結局のところは何も解決してないんですよね。子供たちの犠牲もそのまま、不条理な呪いは続いていくようです。
はわ~。
そんなラストも含めてよかった。ホラーって感じでした。
ちなみに続編の「ウーマン・イン・ブラック2 死の天使」
1と同じく「イールマーシュの館」が舞台となりますが、時代は1941年、戦争真っただ中のイギリス。空軍中尉がこんなところで何やってんの?って感じの始まり方でした。
“WW2”、“死の天使”って聞くとなんか嫌な予感がしますね。いやー、本当になんででしょうね(すっとぼけ)
でもヨーゼフ・メンゲレはマジで関係ないです。
館の不気味さは健在ですが、1の方がゴシックホラー!!って感じがして好きですね。
以下、3/20に頂いた拍手コメントへの返信です。
再びの拍手コメントありがとうございます!
ホラー演出で日常的に見慣れているものが不気味に見えるやつ、観ている最中よりも観終わった後に尾を引くのがちょっと嫌ですね(笑)
私もこの作品は映画館で観たかったです。
重ねてになりますが、良い感じに私好みの映画を教えて下さってありがとうございました!