世界最速のレースへようこそ!
というわけで、6/3に千葉・幕張海浜公園で行われたレッドブルエアレースの予選を観てきました。
前日は強風のため練習飛行は中止になってしまいましたが、予選は好天に恵まれ、絶好のレース日和となりました。
始発に乗り込み、開場20分くらい前には会場に到着したんですが、その時点で入場列がかなりのびていました。しかもその後も増える増える。結局、入場までに5〜10分くらいかかったかも。
我らが日本人レーサーの室屋選手!(Team Falken所属)
ミントグリーンの塗装が鮮やかなEdge 540 V3という機体に乗っています。
会場には様々なブースがあり、展示飛行までの間、サイドアクトのパフォーマンスでも楽しむことができる様相でした。あと食品の屋台が多い。それとレッドブルを売ってるテントは遠くからでも一目で分かる。
後述しますが、スイスの時計メーカー・ブライトリングが出資して修復したDC-3が飛行するということもあり、ブライトリングの特設ブースもありました。もちろん時計も展示してたし、オリジナルのキャップも配っていました。すごい。
全然関係ないですが、P-51マスタングとF4Uコルセアを起用したブライトリングの最高すぎるCMはこちら。
一通り会場を回った後、一般観覧エリアに向かいました。そこはかとなくいい感じの場所を確保し、予選の練習飛行を待ちました。
一番最初にも書きましたが、それはもう天気が良くてですね、一般観覧エリアが砂浜ということもありまして、日差しも強くてまぁぶっちゃけすごく暑かったですよね。吹いてるのは海風ですから、風が当たると涼しいんですが……。日焼け止めを塗っていても、肩ががっつり焼けてしまいました。
会場で売ってるドリンク、もちろんレッドブルが主体なんですが、ウォッカをレッドブルで割ったものなど、アルコールも申し分なかったです。お酒を飲みながらレース観戦楽しいです。
そうこうしているうちに、空気を劈くようにエンジン音を響かせて、各選手の練習飛行が始まります。
(↑写真は予選本番、日が傾いてきた頃のものです。暗くて申し訳ない)
これがこうなって
こう翻るわけです。
太陽の光を反射した機体が閃きながら青空を駆け抜けていく様子は、本当に気持ち良いですね。
エアレース自体初体験だったのですが、判定などが結構シビアなようでして、一定以上のGが加わるとDNF(ゴールできなかったとみなされる)とか、セーフティーゾーンを外れるとDQ(失格)とか、パイロンと接触するとタイムが+3秒されるとか、他にも色々……。
コンマ以下の世界で競っているだけあって、傍目から見ると「今いったい何が起こったんだ?」ということが多々ありました。
予選中にレーストラックから離脱する選手も何人かいらっしゃったんですが、何がいけなかったのかは解説を聞くまで分からなかったです。
機体と接触したパイロンはすぱっと切れます。余談ですが、切れたパイロンはレースの合間、海上で待機している「エアゲーター」と呼ばれるスタッフさんが駆けつけて2分以内に直すそうです。
(詳しくは「エアレース パイロン」でググると出てきます)
もちろんメインはエアレース予選なのですが、サイドアクト航空機たちもとても豪華なメンツでした。
陸自所属の攻撃ヘリ「アパッチ」
同じく陸自所属の「ヒューイ」
千葉消防のレスキューデモンストレーション
海面から1,2メートルくらいの、ものすごい低空でホバリングしていたのがすごかったです。
DC-3
先述したブライトリングのDC-3です。
かの零式輸送機をはじめ、その後の航空機開発に多大なる影響を与えた傑作機です。
レッドブルエアレースチケットサイト及び会場アナウンスで軽く紹介されいたのですが、世界に現存する飛行可能な約150機のうちの1機が、ワールドツアーとしてやってきてくれました。
「1時間フライトするのに100時間のメンテナンスをする」と言っておりましたが、今回飛んでいる姿を見ることができて、私はすごくラッキーだったなと思いました。
実際に飛んでいる姿を生で見て、「この機体、横顔がとっても美人さんだな」と感じました。
零戦
皆が待っていた零式艦上戦闘機。
里帰りプロジェクトで鹿屋の上空を飛んだあの機体です。今回の飛行は日本人パイロット・柳田一昭さんの操縦によるものです。
DC-3もそうだったのですが、零戦が会場上空に登場した瞬間の観客の盛り上がりたるや、本当に皆が心待ちにしていたのだなということが伝わってきました。
私の目の前を、すぐ頭上を、75年前の勇姿をほぼそのままに零戦が飛んでいったこと、このブログを書き認めている今も「夢だったのでは?」と思うほど凄い出来事でした。
なんというか、「ずっと前のことを、昨日のことのように思い出せる」の逆で、「つい昨日のことなのに、もうずっと昔のことのように感じる」のです。
あまりの感動に脳が処理落ちしているのか、何度反芻しても実感がわかず、私の中ではふわふわと掴みどころがない映像記憶になっています。確かに写真は撮ったし、この目で見たけど、「零戦が?本当に飛んでた?本当に?嘘じゃない?」と自分を疑い始める始末。
夕暮れの海の上、飛行場へと踵を返す零戦は、まるで空に溶けていくようで目が離せませんでした。
本当に美しい景色でした。
【撮影機材】
NIKON デジタル一眼レフD5200
レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
その他の写真はTumblrに掲載いたしました。
速く動くものを撮影するのって難しいですね。