2019年6月22日 擬人化王国19にて発行したFw189とBV141の物語「小さな夜の歌」を全編WEB公開いたしました。
話の大筋は2016年2月には既に出来上がっていたので、漫画として出力するまでに3年と4ヶ月を要した作品となります。
奇異な見た目の飛行機で言えば、XF5U(V-173)の短編「俺の妹がパンケーキのはずがない」を2017年に描いているんですが、それよりも前の作品ということになりますね(セリフなどは2016年当時よりもだいぶブラッシュアップされてますが…)
この話をちゃんと漫画にしようと試みたことは何回かあって、2016年12月に下書きのようなものを書き出しては投げだし、FW社つながりで2018年のWORK HORSES PROJEKTにあやかってその下書きを完成させようとして投げ出しました。
退路を断つために擬人化王国に申し込んだのは、前のブログ記事で申し上げた通りです。
さて、作品の裏話。
今回ですが、台詞のみのプロットだけが一番最初にありました。
そしてその次にあったのが2016年12月に途中放棄した下書き。
この2つをもとにおおよそのページ構成を組んでいき、ページ数を出したところ50ページとなりました。印刷所のサイトを見てて気が付いたことなのですが、今は4の倍数のページ数でなくても本が作れるんですね…すごい…。しかし基本的に本のページ数は4の倍数にした方が良いと思います。
BV141の資料なんですが、2018年の1月にちょうどいい具合にVALIANT WINGS PUBLISHINGから出てる「The Blohm&VOss Bv141 A Techncal guide」という本を見つけたのでそちらを購入していたんですよね。
Fw189の「The Focke-Wulf Fw189 Uhu : A Detailed Guide to the Luftwaffe's Flying Eye」と同じ著者です。
生産工場の様子やブロームウントフォスの写真などはそのあたりの書籍を参考にしています。
VALIANT WINGS PUBLISHINGの本はどんなに頑張って英語で検索しても見つけられなかった写真が大量にあるので本当におすすめ。
で、重大な懺悔をするんですが、このマンガのBV141各コマで型が違うんですよね。
恐ろしいことに入稿し終えたあとに気付きました。原稿ハイって怖い。本当にごめんなさい。
ページ数があれだったので、6月のイベントに対し余裕を持たせるために2月から制作を始めていたんですが、見返してみると「ここもうちょっと書き込めたやろ~」「クオリティアップできたやろ~」みたいなところが多々ありますね。あれ、急に恥ずかしくなってきたぞ?
原稿は5年ぶりに白黒2値で制作しました(「鈴生る桜の聯合艦隊」「World 01」以外はグレスケ)。そして案の定失敗しました。モアレしまくり。しゃーない、モアレも楽しめ。次回あるかはどうかは分からないけど、また本を作ることがあればグレスケ原稿に戻そうと思います。
制作中に何度も思ったのは「ルフトヴァッフェの子の衣装考えたやつ誰だよ~~~」ってことです。ルフトヴァッフェに限らず、ドイツの擬人化っ子たちは艦艇も戦車も黒ベタマシマシの制服なので仕上げに時間がかかるのは仕方のないことなのです。とりあえず黒ベタ頑張りました。
頑張って書き込んだといえば、BMW801エンジンですかね……。
BV141が機体の上に座ってるシーンの、機体に搭載されてるエンジンとか、オイレちゃんが(Fw190と同じ……)って思ってるシーンのものとか。特に搭載されてるやつは解像度の荒い資料写真とFw190のBMW801エンジンの資料を見くらべながら「こんな感じか!?」と苦戦しておりました。
そして、これは吹き出しで隠されたけどちゃんと書き込んであるBf109の顔面。
とまあ、年度末に追われたり決算に追われたりしながら原稿をしていたわけです。
ずっと日の目を見なかった物語を、なぜ完成させようかと思ったかというと、漠然と「絶対に描き切りたかったから」です。同人誌なんてそんなものです。2機のことを調べるうちに自分の中に生まれた物語を形にしておきたかったんです。それ以上の理由は無い。とりあえず描いて、人に見てもらいたかった。だからWEBでの全編公開にも踏み切りました。
恐らく需要は無かったと思います。下手したら、手に取ってくださった人の中にはFw189のこともBV141のことも知らなかったという人だっていたかもしれません。
でも、この2機の物語を私の中だけに留めておくのはなんだかとても勿体ないように思いました。
ですから、そんな私の一人遊びに気付いて本を手に取ってくださった方々に、読んでくださった方々に、感謝の念を申し述べ、この記事の結びとさせていただきます。
本当にありがとうございました。