劇場には行けなかったけど、DVD借りたり、AmazonプライムビデオやU-NEXTで旧作映画をたくさん観ているので、いくつかピックアップしてその感想など。
【ザ・フューリー 烈火の戦場】
ブラピが出ない方のフューリー。
M4シャーマンじゃなくてM18ヘルキャットの方のフューリー。
低予算なのかCGが映像に馴染んでいなかったり、戦車や衣装が小奇麗だったりしますが、動いて撃って動くM18も観られますし話自体は面白かったと思います。戦争映画にしては後味も爽やかめ。直接的なグロ描写も無いので最後まで安心して観ることができました。
ブラピフューリーの日本公開と同じくらいの時期にアメリカで公開し、しかも似たタイトルのためにかなり損してる感があります。あとパッケージというか、あおり文の入ったキービジュアルがB級っぽくてどうもね……。原題は「SAINTS AND SOLDIERS: THE VOID」なんだけど、もっと他に良い邦題は無かったのかなぁ……。
黒人差別が今よりももっと根強い大戦時の人間模様も描きつつ、III号戦車:3輛 VS M18:1輛の多勢に無勢な戦車戦(?)もよかったと思います。迫力はさすがに予算が潤沢なブラピフューリーに軍配が上がりますが、1時間半くらいで短くサクッとまとめてありますし、戦車が好きなら一度観てみるのも良いのではないでしょうか。
【鬼戦車】
言わずと知れたT-34の映画。戦争というよりはロードムービーって感じでした。
モノクロフィルムの中で動くアルゲマイネの黒服の人が妙に色っぽく見えてずっと「あの制服、動いてるの見るとえっちだな……」って言ってました。元々格好いい制服だから仕方ない。
現代の映画に染まり切った我々からすると冗長な場面や「BGMこれでいいの…?」となる場面もありましたがT-34が愛しいので大丈夫です。
最終的に言いたいことは「オチが雑か!」ってこと。
【帰ってきたヒトラー】
ヒトラーがタイムトリップして現代にやってくるコメディ映画。普通にコメディーとして面白かったです。随所でかなり笑いました。
主役のオリヴァー・スマッチは、最初こそ「似てるか?」と半信半疑でしたが、喋っている姿を見ると本当にヒトラーおじさんに見えてきます。
「ヒトラー最期の12日間」の有名シーンのパロディなども含んでおり、毒気たっぷりで最高でした。
原作小説は読んでないのですが、映画版とはまた違ったオチになるみたいですね。映画版のオチは良い意味でゾッとさせてくれます。いつの時代にも人々の心にはヒトラーがいるのかもしれません。
【ラ・ラ・ランド】
冒頭の高速道路でのオープニングパフォーマンスがとにかく素晴らしい一作。もはやそこだけでいい。
女優を目指しているミアとジャズピアニストのセブという2人の主人公がいるんですが、その2人がお互い励まし合ったり衝突したりしながら夢を目指す青春ミュージカル映画です。
伯母がこの映画を絶賛していたので、どんな素晴らしいエンディングなんだろうとワクワクしていたんですが、結構なビターエンドでした。いや、見方によっては普通にかなりのハッピーエンドの部類なのかもしれない。何にせよ大人向けエンド。「まあ現実はそうなるよな」という感じ。主人公2人ともいい大人やからね!安直な大団円ではないからこそ、普通の大人の人たちに絶賛されたのかもしれません。
【パラノーマル・アクティビティ】
ホラー映画とか普段は全然観ないんですが、低予算のわりに大ヒットしたからきっと面白いんだろうなぁと期待して観てみました。私が期待値を高めに設定していたのが良くなかったのかもしれないんですが、「評判の割には……」という感じ。
モキュメンタリーという体裁で、ハンディカメラでの撮影、音声も家庭用≒プロ向けではないマイク、撮影場所も監督の自宅のみという映画です(ところで全然関係ないんだけどモキュメンタリーって語感が可愛い)。そう言った点で、低予算であることを上手くカバーした作品なのだと思いますが、絵面が代わり映えしないので冗長な感じが否めないうえに、肝心の怪奇現象もそこまで怖くないという。怖いというよりは不気味さを押し出した作品なのかな?
最後はちょっとだけビクっとしたのですが、続編を観る気にはなりませんでした。
【Frank - フランク -】
え、何これ(素)
映画素人の私には早すぎた名作。
下手の横好きながらもバンドをやっていた時期があるので、メンバーの才能の有無だとかそれに左右される雰囲気とかを見ていると動悸がします。登場人物の誰に感情移入しても終始心苦しくなる最高に闇属性な映画。
バンド内でフランクがもてはやされているけど傍から見ていると「言うほどか?」というアレです。あと一皮むければ中堅になれそうな無名バンドだけど、自分たちの音楽性を曲げたくないのでどちゃくそニッチなタイプになってしまっている、要はよくある零細バンドの衰退を描いた映画です。
私にとってこの映画は「素晴らしい一本」にはなりえなかったけど、劇中の微妙過ぎる音楽を作ったスタッフはすごいと思いました。本当に。
【パール・ハーバー】
第二次大戦風味ラブロマンス。これ歴史コメディとかじゃねぇから(半ギレ)
ロマンスを楽しみたい人は歴史考証の甘さなんか気にしないし、リアリティ重視の人はそもそもこの映画を真面目に見ない。
冒頭から終盤まで余すところなく「ん?」となるので誰かと一緒におしゃべりの片手間に観るくらいがちょうど良さそうです。
ただこの映画、鑑賞直後か直前にメイキング映像を見て、実際に戦場に行った兵士や軍組織に取材など協力してもらった上で成り立っている映画だということを知ると演出と史実の間で程よく混乱できます(?)
↓混乱の結果↓
前にP-51について話すラジオやったときにも言ったんだけど、B-25の尾部機銃ってどのタイミングで帚に差し替えられたんやろか。パールハーバーでもそんなシーンがあって「でもパールハーバー時代考証ガバガバだからなぁ」と思っていたんだけど、
— 夜井 (@yorui_m) 2017年10月23日
あれって当時の軍人の方からインタビューしてるってメイキングで言ってて頭を抱える羽目になってる。まあ、あれだけ発進ギリギリにやったわけではないと思うんだけど
— 夜井 (@yorui_m) 2017年10月23日
今さっきのB-25の尾部機銃にの話について、何か載ってなかったかなと世界の傑作機を開いたら、どのページもかっこいいミッチェルばっかり写ってて「ぐわぁあああ〜〜〜!!」ってなった
— 夜井 (@yorui_m) 2017年10月23日
冷静に考えれば、作戦に使用されるB-25の尾部機銃はホーネットに搭載される前に外されてると思うんですよね。航続距離伸ばすために色々改造してある専用の機体ですし。ほうきの柄を黒塗りして機銃に偽装したのがホーネット艦上での出来事だとしてもあんな直前に慌ててやることじゃないというのが素人の私でもわかる。混乱してはいけない。
ラブロマンスですが、P-40の真珠湾攻撃邀撃シーンは普通に格好いいのでおすすめです。