- ヒュドラ / Ὕδρᾱ
- 住処:レルネーの沼
- 権能:不死、猛毒
- 象徴:海蛇
- 威光:なし
退いて尚、多くの命を奪う害毒
ギリシャ神話で最強の怪物であるテュポンと不死のニュンペー・エキドナとの間に生まれた娘。九つの首があり、中央の首は不死である。
解毒不能な猛毒を持ち、ヒュドラの住処を通り過ぎる者、吐息を吸い込んだ者を死に追いやった。
レルネーの沼、プラタナスの樹の下で友人である化け蟹・カルキノスと静かに暮らしていたが、存在自体が害であるヒュドラはヘラクレスに討伐される。
ヘラクレスに退治された後もその毒は利用され続け、使用者であるヘラクレスをはじめ、多くの命を奪うことになった。
本来は母に似て心優しい性格だが、前述のように存在しているだけで災害級の怪物であった。
家族以外で初めて仲良く接してくれるカルキノスの命がヒュドラ自身の毒で弱っていたところ、それを救ってくれた女神・ヘラに恩義を感じており、いざというときはカルキノスと共にヘラに義理立てしようと考えていた。
ヘラはヒュドラを「恩義に報いた」として、カルキノスと共に星座として天に昇らせた。
【関係】
エキドナ⇒母。生まれた直後に自身の毒で瀕死になっているところを、エキドナから不死の権能を譲り受けたことにより延命する。
カルキノス⇒子供のころから一番のお友達。ヘラクレスに襲われているところを助太刀しようとしたカルキノスだったが簡単に踏みつぶされてしまい、ヒュドラはヘラクレスに対して怒りを露わにした。
ヘラ⇒ヒュドラの毒で弱っていたカルキノスを助けたとして、幼少のヒュドラに貸しを作った。ヘラはヘラクレスを憎み、ヒュドラが彼を殺すことを期待したがうまくはいかなかった。
ヘラクレス⇒侵略者。ヒュドラにとって家族の一員である「ネメアーの獅子」を殺した仇でもある。ヘラクレスはヒュドラを殺した後もその毒を利用する。